欧州委員会は31日、化粧品メーカーに対して製品ごとの水使用量を開示することを義務付ける新規制案を発表した。2027年1月から施行予定で、EU域内で販売される全ての化粧品が対象となる。製品パッケージには水含有率と製造過程での水使用量を明記する必要があり、違反企業には最大で年間売上高の4%に相当する罰金が科される。この規制は、気候変動による水不足問題への対応策の一環として導入される。欧州委員会の環境担当委員は「化粧品業界は年間約20億リットルの水を消費しており、持続可能な水利用を促進する必要がある。消費者が情報に基づいて選択できる環境を整えることが重要だ」と説明した。業界団体のコスメティクス・ヨーロッパは「規制は厳しいが、ウォーターレス製品への移行を加速させる契機になる」と前向きに評価している。一方で、中小メーカーからは「対応コストが経営を圧迫する」との懸念の声も上がっている。欧州の化粧品市場では既に大手メーカーを中心にウォーターレス製品の開発が進んでおり、ロレアルやLVMHなどが固形シャンプーやパウダー状洗顔料の販売を拡大している。今回の規制により、業界全体での水使用削減が一層進むと見られる。
欧州委員会、2027年から化粧品の水使用量開示を義務化へ
- 記事提供
- Reuters
- 公開日
- 2025-10-31
- 元記事URL
- https://www.reuters.com/example/eu-cosmetics-water-regulation